或る営業女子の日常

大切なのは、浮足立たず淡々と生きること。

脱力のためのHIPHOPの話をしたかったはずなのに自分を語って満足してる恥ずかしい感じ。


母親の影響なのか小さい頃から洋楽ばかり聞いていた私が、初めて買ったアルバムはAvril Lavigneの『Let Go』で、その頃はポップもロックもとにかく洋楽であれば基本はなんでも良くて、例えばBritney Spearsも大好きだったし、Backstreet Boysも大好物だった。Avrilはカナダだが、とにかくアメリカンなポップに(おそらく)どっぷり浸かっていた小学生〜高校生。


元々海外に興味があった私は、
母親の親友が長年住んでいたイギリスに興味を持ち、いずれは永住を目論んでいたほどだったのに、実際に現地を訪れ1ヶ月ほど滞在した大学生のとき、「もうお腹いっぱい、十分だ」と感じたのは自分でも意外だった。あんなに熱烈に憧れていた生活なのに、私はたかだか1ヶ月離れることになっただけの当時の彼氏のことで頭がいっぱいだった。


振り返ればこのあたりで私の「夢」や「念願」は終わって、興味も趣味も夢もないまま、文字通りのその日暮らしを数年経て、現在に至る。(現在も、ある意味その日暮らしかもしれない。)


と、こんなことをいきなり書き始めたのはなんでだったかな。そう、この連休中に久しぶりに会った母親に「どうしてあなたはここ(私の居住している都市)が好きなんだろうね?」と問われたとき「ほんとうだよね、なんでだろう」と答えたわけだが、多分、その日暮らしな人種を受け入れてくれる空気があったからだろう。人も考え方も仕事も多様で、みんながそれぞれに生きることに一生懸命だから、気にしない、気にされない、それがちょうど良かったのだろう。何人もの地元に戻る人たちを見送りながら、そうならない自分を不思議に思ったり、親不孝に思ったりもしたけれど、いまではこの地で何百というお客さまと縁があって、生活できている。


ただの田舎嫌いな田舎娘が意地で残った、田舎からそう遠くはない、或る地方都市。私はここでどう人生を終えるのだろうか。


洋楽に海外への想いを馳せたあの頃の私はいないけど、生きるのにちょうどいい地となったここで、音楽と本と犬に囲まれて幸せに暮らすことができて、ほんとうに運が良かったと思う。